速魚の船中発策ブログ まとめ



ドイツのグロ−バリゼ−ション

 ドイツの債務ブレーキ条項

西ドイツの予備役と冷戦の終結

ドイツの敗戦処理と北方4島

ナチス 全権委任法 

ラパロ条約と独ソ不可侵条約 

ドイツの教育事情

ドイツの就職事情 

EU 労働市場の現実 

フリードリッヒ2世の生涯  

インダストリ−4.0と独商船

ドイツ 音楽関連

ドイツ軍の現状






















ドイツ まとめ





 ドイツはEUの独り勝ちの動きです。 その反動もありイギリスやハンガリ−は独自の動きを見せる状況もあります。
 ドイツ一国のGDPだけを見てもその動きは掴めません。ゆえに見逃してきたわけですけれど。 EUを総計してドイツ圏として判断しますと、米国や中国に並ぶものとして存在します。  まとめてみました。

     2016-6-2







     ドイツのグロ−バリゼ−ション

         エマニエル・トッドによる
  


               
               文春新書 ドイツ帝国が世界を破滅させるより   


  つい最近ですが、ギリシャが破たんしそうで、ドイツが援助するかしないかともめていました。
 ラテンの人々はノンビリしていて働かないし、納税する気も少ない国なので、さもありなんとこちらは、眺めていただけでした。

 最近、爺は欧州に行くこともなくなったので、ユ−ロはどうしてこんなに高いのだろうぐらいの思いのみで、EU統合以来のできごとに無関心でいました。 トッドのこの本を読んでドイツの一人勝ちの事態に気が付きました。

 ソ連の崩壊以来、東ドイツの統一コストに苦しんでいたかにみえていたドイツは、いつのまにかドイツ帝国を築いていたのです。それも軍事を使ったわけではありません。

 統一通貨ユ−ロを導入以来、ドイツは部品製造を部分的にユ−ロ圏の外の東ヨ−ロッパへ移転して、非常に安い労働力を利用しました。 国内では競争的なデイスインフレ政策をとり、給与総額を抑制しました。ドイツの平均給与はこの10年で4.2%低下しました。社会的文化的要因ゆえに賃金抑制策など考えられないユ−ロ圏の他の国々に対して有利な立場を獲得しました。

 財政規律主義のドイツはますますEUのなかでその位置を高めていきます。統一通貨ゆえに財政に苦しむ各国は自国の通貨を切り下げて、競争力を高める政策を封印されています。

  上図にあるように ドイツ圏の国々は下記のようです。

  ドイツ圏   オランダ、ベルギ−、チェコ、オ−ストリア、クロアテイア、スロベニア
  自主的隷属     フランス
  ロシア嫌い衛星国 スエ−デン、バルト3国、ポ−ランド   
  事実上の被支配  フィンランド、ポルトガル、スペイン、イタリア、ル−マニア、
               ブルガリア、
              、コソボ、ギリシャ、スロバキア、
  併合途上       ウクライナ
  離脱途上       英国、ハンガリ−

  ドイツは上海事変では中国に味方して日本は大変に苦しみました。 メルケルは中国もうでを繰り返していますが、めったに日本には来ません。 ドイツの動向には今後も注意が必要です。


        2016-6-2








   ドイツの債務ブレーキ条項


     
      朝日新聞による債務残高  
 
 ドイツは2回の世界大戦の敗戦で徹底的なハイパーインフレを経験しました。トランクいっぱいのお札でパン1個の状況です。 
新聞報道があるまで知りませんでしたが、ドイツは2009年の憲法改正で赤字国債等による政府の借入をゼロにする制度を制定しました。GDPの0.35%までの借金に制限を設けた(約1兆2千億円)。このおかげでアウトバーンのインフラ補修が制限され、速度制限をしているところがあるという報道でした。
 戦後生まれの小生の世代は、親が買った紙切れになった戦車や軍艦の絵柄のついた戦時公債は見せられた記憶がありますが、常に良いインフレの記憶しかないですね。
毎年上がる給料とそれ以上に物価は上がってるのではないのかと、思っていましたが、雇用に問題がなかったので、不安なく過ごせました。デフレが続く前までですが。
 衆参議員選挙がありましたが、GDPの220%にも及ぶ1000兆円の債務があるのに主要な争点となりませんでした。
あのギリシャが約180%、イタリアが約140%、英国・仏が約120%の債務比率です。
憲法でも法律でもはっきりと英仏並みのレベルまで数字と期限を決めて減らす対処をしなければなりません。
自民党が1000兆円のうちの980兆円の責任があります。
民主政体をとっている限り選挙のたびにばらまきをすることが必定です。同じ敗戦国のドイツに学びましょう。といってもドイツの最初の解消は結局ナチによる軍備の増大と戦争による解決でした。麻生さんはそれを真似よといっているのではないでしょうね。

           2013-8-8


   




    西ドイツの予備役と冷戦の終


 ソ連の空母ミンスクが1979年に日本海にやってくる
ので、盛んに当時のマスコミが北海道が危ないと大騒
ぎしていたのが、想いだされます。
ミンスクも後で分りましたが、機関に致命的な修理が
必要で、無理を重ねて日本海にきたようでした。
 日本では西ドイツの予備役のことはあまりよく知られて
いません。
なぜ日本と違って、西ドイツでは徴兵制をとっていたのか
も知られていません。
西ドイツでは敗戦以後も圧倒的なソ連の通常戦力と対峙
していました。NATO軍の戦力では、それに対して不足
で、戦術核の使用で対抗することになります。ドイツは
こと起こったときは、自国の領土で核戦争の戦場になる、
厳しい状況です。それゆえドイツは通常戦力の増大の
路線をとりました。
ドイツの再軍備の制約で12個師団に限定されていた
ので、予備役の創設をします。正規軍34万人をしのぐ
予備役59万人の大兵力を編成しました。
徐々にそれを第1線部隊に準ずる装備に拡充してます。
編成改革を重ねていくことにより34万人から100万人に
増大させます。それで防衛線をライン川からエルベ川に
押しやることができました。自国の領土での核戦争は
遠のきます。
1970年代末ではエルベ川をはさんで東西均衡した兵力
になりました。
1987年に至ってゴルバチョフは攻勢戦略を取り下げ
パワーバランスの逆転し冷戦が終結します。 
 現在の日本はミンスクの時代よりも、もっと脅威が高ま
っております。ソ連の太平洋艦隊はマスコミが騒ぐほど、
たいしたことありませんでしたが、
最近の中国の海軍の増強ぶりは目立っております。
中国の空母はミンスクと同じで騒ぐほどの空母ではあ
りませんが。注意しなければならないのは、
自分が合理的に判断をするから、相手もそうすると
は限りません。
日本もパワーバランスをとっておく処置が必要でしょう。

            2013-7-15


    追補

 2011年 ドイツは徴兵制を停止し連邦軍は職業軍人
と志願兵だけになった。ソ連が崩壊したので、現実対応
したということですね。

   2015-1-8







    ドイツの敗戦処理と北方4島

 
   
   カーリーニングラード/旧ケーニヒスブルク


 2015年の新年を迎えました。昨年の拉致被害者の交渉はどうなったので
しょうか?
プーチンとの北方4島との交渉もウクライナの問題が生じて拉致と同様に期
待が持てません。 どちらも時期というものがあるのでしょう。冷戦が終結して
ロシアが困窮したときの、日本の無私の援助があれば返ってきたかもしれま

せん。ミャンマーなどには借金を棒引きしてさらに何千億円もの援助が、この
今でもできるのですから。兆円だして購入という手もあったでしょう。

 ドイツは先の敗戦でシュレージェン地方や東プロイセンを失う。前者はポー
ランド領に後者はポーランドとソ連・ロシアで分割した。ロシア領はカリーニン
グラード州として現在のリトアニアとポーランドの間に飛び地としてある。
 第2次大戦前に独ソでポーランド分割を秘密に協定して開戦するや2国で
ポーランドを占領した。ソ連は勝利した後でもそれを返還せずにポーランド
国境を西に移動させることで決着させた。この結果北方4島の帰還者の比
ではない百万単位の膨大な犠牲者をだした。戦勝国はこんなものです。

 日本は北海道を失うこともなく、国体護持もできました。沖縄返還・軍政
維持?にもなりました。安倍さんは戦後レジームの改正と声だかですが、
戦勝国からはウサン臭くみられていてもおかしくないでしょう。まだまだ時
間がかり、やることも多いでしょう。

      2015-1-8









   ナチス 全権委任法  

<                       

                       
                        ドイツ国会議事堂炎上


  7月25日の麻生太郎財務相の講演会の発言で、ワイマール憲法は、ある日気がついたらナチス憲法に変わっていたと述べました。だが実は1933年の3月23日の全権委任法の成立により、ワイマール憲法は実質的に効力を失ったということが事実です。戦後の1949年の5月23日に成立したドイツ連邦共和国基本法までその憲法は存続した。

 ヒットラー政権ができて、まもなく国会放火事件がおきる。共産党のしわざだと大統領緊急令をだして、共産党員、無政府主義者、社会民主党員を予防拘禁した。ナチス党はドイツ国家人民党、中央党の協力を得て3分の2の賛成を確保して、全権委任法を成立させた。
 
 世界恐慌により失業者が増大して、少数政党乱立の議会は有効な手を打てませんでした。従い左右の極端な共産党とナチス党が勢力を得た状況になりました。ナチスはこの法案制定時でも45%程度の議員数ですが、この法で独裁政権になりました。当時の最も民主的な憲法と云われたワイマール憲法のなかで合法的に全権委任法が成立しました。

 後の世の人は誤解があるかもしれません。先の大戦中のの悪しきことについて、戦後のドイツ国民は全てナチスのせいにしています。 ヒットラーのナチス政権は汚い手は使いましたが、クーデターでも何でもなく、合法的に政権が成立したものです。全権委任法により立法権をナチス政府に委譲して、独裁政権を得ました。国民は極左と極右の選択でナチスに期待したというべきでしょう。
 軍事生産を猛烈に拡大したことで、失業者が減少して生活が良くなったのが、そのドイツ国民がナチスを支えた背景です。
 アベノミクスで期待がふくらみ、違憲の法制をつくろうとしているのと同じ状況であるとはいいませんけれども。
 でも、ドイツが戦時中にやったことを全部ナチスのせいにして、日本がやったことに対して、今のドイツが教訓をたれるのはよしてください。レベルが超違いすぎでしょう。


 1929 10月24日  世界恐慌
 1932 7月31日  ナチ党は第1党になる
 1933 1月30日  ヒットラー内閣
     2月27日  国会議事堂放火事件
     2月28日  民族と国家を防衛するための大統領緊急令
            基本的人権や労働者の権利停止 
     3月1日   共産党抹殺をゲーリングがラジオ放送
     3月23日  全権委任法成立 (ナチス議席45%)
     10月21日 国際連盟脱退
 1935 5月16日  再軍備宣言
 1936 3月7日   ラインラント進駐
 1939 9月1日   ポーランド侵攻 第2次世界大戦


       2015-7-4



  追記
       
  パリで大きなテロ事件が起きました。 日本でもこんな事件が起きて、それで思考が停止して、全権委任の非常事態法が制定されることがないように気をつけねばなりません。
 ナチも国会焼き討ちテロをきっかけにして独裁に至りました。

 これからはテロは避けられないものとして、負けないで冷静に対処する必要があります。  日本で化学兵器のテロは実際に起きました。 日本にも警察・公安・情報室などの政府機関があります。それが見当はずれな対応でマークしていなかったのもそれが起きた一因です。まず既存のものの有効活用が大事といえます。

 パリ市民は今回の事件でも、喪に服しているとはいえ、冷静に日常活動をしています。
解決には1世紀もかかるでしょう。

    2015-11-16


  





    ; ラパロ条約と独ソ不可侵条約   

 
  集団的自衛権の議論がされていますが、他国との同盟のことでもこのラパロ条約
について述べられている話は耳にしません。

 その条約は1922年にドイツとソ連の間で成立した秘密条約です。第1次世界大戦後のヴェルサイユ体制から疎外されていた両国がこれで軍事面で秘密裏に連携した条約です。  前にも述べた露仏条約は日本にも多大な影響を与え、また第1次世界大戦までの世界の変動に大事な役割を果たしました。この露仏同盟が解消され,独ソのこの密約条約です。ドイツは禁止された空軍・戦車・化学兵器をソ連内で製造・訓練をします。
機甲戦をソ連に指導したりもします。あとで独はそれで痛い目にあうことになりますけれど。ヒットラーが急速に軍備を整えられたのはこのおかげです。

 松岡洋右外相は1940年9月日独伊三国同盟の締結は後に一生の不覚だと痛感します。1936年日独防共協定を結んだ独が1939年8月ソ連と不可侵条約を結ぶ。それでソ連を含めた4国同盟を模索すると、今度は独ソ開戦になる。同盟はラパロも含めて以上のようにお人よしではつとまりません。今でも日本の外交・援助はお人よしですね。

 集団的自衛権は同盟を前提とした戦争です。今の外務省にその能力があるとは思えません。彼らが主導して軍事にまで手を突っ込んでくるのは、また大きな災いがおきるのではと危惧してしまいます。

     2014-10-1









    ドイツの教育事情

  
                


ドイツでは小学5年生で進路がきまる。大学に進学する子供が行くギムナジウム、職人になる子供の行く基幹学校、そしてその中間の子供の行く実業学校という制度である。5年生・10歳でこの3本に分かれる。

 ドイツではマイスターという親方が尊敬される世の中であったが、今では親方ではなく、コンピューター制御の機械を扱える人間になりたがる。けれどドイツ語のうまくない外国人労働者の子供はつまるところ基幹学校に行くことになります。ギムナジウムに行けなかった子供が劣等感を心に焼き付けることになる。それは格差の固定化をすることに続がります。

 ドイツの学校では部活動を行いません、プライベートのことには一切かかわることはない、学校では人間性を育むといった二義的な機能は重視されないので、教師と生徒の関係もあまり発展しません。ギムナジウムを除けば日本よりももっと学校は崩壊している。この学制はマイスターが尊敬されていた時代には機能した制度であったが、社会の基盤が変わった今でも昔のまま存続しています。この制度を見直す動きもあったが、エリートたちの反対運動でつぶされた。彼らは市民にアピールする経済力も実行力もあるからである。

 大学受験はドイツにはない。卒業時の試験・アビトウーアが入学資格試験を兼ねている。それには筆記試験とプレゼンテーションや質疑応答もあり、丸暗記では対応できません。それゆえギムナジウムでは考えや主張を文章に4時間近くもかかる論文をまとめる訓練を重ねる。従い大学へのハードルはかなり高い。翌年もう1度チャレンジできるがこれに落ちると大学にはいけなくなる。国立大学がほとんどであるので、授業料最近まで無料であった。ドイツでは、修士コースの入試や奨学金貸与の試験では、受験性を8人ぐらいのグループにして、テーマを与え、討論させることが多い。ユニークな意見を述べたり、理路整然と意見を戦わせる生徒は高い評価を受けます。

   2015-1-12










   ; ドイツの就職事情 
     川口マーン恵美さんによる

       
          


 日本の企業は、企業のカラーに染めやすいように、なるべく
白紙の、未経験の若者を採りたがる。ドイツ企業では、社会的
能力があり、即戦力になる人間を求めている。私はこんなこと
ができると言えなければ、職に就けない。ドイツではマイスタ−
の下で修業の伝統がある。それで大学生もインターンという名
の修業に励むことになる。インターン先で書いてもらった査定
内容が就職に重視される。彼らは学生時代より揉まれて、鍛
えられ、やたらと社会活動に参加し、本当に就職するころには、
特定の分野で、すでにかなりの職業経験を積んでいる。
企業はその人間が何ができるか重視するので、年齢など、
はっきりいってどうでもいいらしい。
 日本のように新卒を重視して、カラスの衣装をきて就活には
げむ、学生とは事情が違いますね。日本の企業の面接は一
発芸とか、かくし芸大会を求める面接官がいるらしい。はっき
りいってバカな面接官だ。いつになったら変わるのでしょう。

    2015-2-1

   








    EU 労働市場の現実  

;      ドキュメンタリー  Race to the Bottom
      

     
     顔を隠しているのがマイケル・オシレイ社長

  
  NHKのBSドキュメンタリーのデンマーク製作の底辺への競争を見
ました。EUでは2002年の労働市場の域内解放により、それまで歴史
を積み重ねて積み上げてきた労働問題が一気に破壊されてきていま
す。 こんな問題がEUの統合の御旗で行われている現実なら、西欧
の近代の歴史の清算と言われてもおかしくないでしょう。ネオナチが復
活するはずです。大きな動乱が起きるのではと懸念いたします。

  日本での先ほど起きた派遣労働者の問題などこれに比べれば小さ
なことに思える程です。 スウエーデンの公共工事で市が支払う時給7
000円をドイツの建設会社が受けて下請けにスウエーデンの会社に4
500円で出し、それが2次下請けにポーランドの会社に2000円で出
してポーランド労働者には時給500円で支払われます。東電の除染下
けの時給もこれなら罪も軽いと思わせる程の搾取の状態です。 デ
ンマークの地下鉄工事では200人のうち10人ほどがデンマーク人で
あとは東欧の労働者たちです。工事発注元の国の労働者は解雇され
て低賃金の外国人派遣労働者に取って代わられています。 人材派
遣企業は労務災害が起きれば帰国させて知らんぷり、労働災害も増
えています。賃金すら未払いで放置、人材派遣会社は債務が増えたと
ころで清算して消えてしまう。もう真面ではありません。
 こんなビジネスモデルが蔓延しています。EUの夢はいずこ?スカン
ジナ諸国の福祉はどこへ?

 TPPでこれと同じような労働市場の開放なんて言い出したらとんでも
ないと声を大きくしなければなりません。確かに賃金を支払う企業にと
っては一挙に1/3や1/4の賃金になるのでホクホクでしょう。

 機会があったら一度このドキュメンタリーをご覧になるようおすすめい
たいます。西欧の近代の清算がおきているような気がします。EUの分
裂や統合の制度の大幅な見直しなど大きな変動が起きるのは必須で
しょう。


 BSドキュメンタリー 5/21放送 5/29再放送がありました。

       2015-6-1










   フリードリッヒ2世の生涯   
      

                         
                  フリードリッヒ大王          
 
フリードリッヒ2世は歴史上2人います。一人は1712-1786年のプロイセン大王です。バッハの息子のカール・フィリップ・エマニュエル・バッハが彼の宮廷楽団のチェンバロ奏者としていました。父のバッハがそこに行き王様から音楽のテーマをもらい、即興で弾いたのが音楽の捧げものBWV1079として有名です。専制啓蒙君主でボルテールと交際し他国の君主にも尊敬され、国が滅亡しそうになるが、代替わりした後継者の尊敬を集めて講和できて助かったエピソードがあります。現在のプロイセンは先の大戦で負けたことからロシアの飛び地やポーランドの領土となっています。でもそれまでのドイツ統一の盟主となった国です。

   バッハ音楽の捧げもの  演奏レオンハルトやクイケン兄弟   48分
    https://www.youtube.com/watch?v=pyUNNA5QK6w


 もう一人は父親のハインリヒがノルマン王朝のコスタンツアと結婚したことから、神聖ローマ皇帝に加えてシチリア王にもなったフリードリッヒ2世・1194−1250没です。当時のシチアはイスラム・ビザンテイン・ラテン文化が混在して融合していた背景があり、4歳でラテン語を習得しギリシヤ語・アラビア語など6つの言語を習得した。幼児の時は両親がいなくて不遇です。その当時の独特な文明の影響の中で言語の習得ばかりでなく、他のことも独学で自由に学んで育ちます。青年になり神聖ローマ皇帝の継承争いのなか、彼は選挙により皇帝に選ばれる。わずかな人数でドイツに渡り実権を掌握する。この時は法王によってローマで戴冠する。これ以降は生涯にわたって法王と争うことになります。帝国を中央集権化とローマ以来途絶えていた法治国家として運営していくことを彼は目標とし、メルフィ憲章を創設して実施しました。
 法王の意に従うことがないので、破門されます。その中で外交のみで戦うこともなく、無血でエルサレムの返還を実現した・第6次十字軍。法王は血を流さないでエルサレムを返すこと自体が不満であった。まあ今でいう原理主義者ですね。イタリアではロミオとジュリエットの世界で描かれている、皇帝派と法王派の争いが続きます。法王との争いの詳細を情報公開で知らせることにより、破門されても理解を得ていました。法王と国王の争いは叙任権争いと教わりましたが、そうではなく領土も含めた権力闘争です。地上での神の代理人とされている代々のローマ法王を通じて神は皇帝や王という世俗の君主たちに統治を委託してきたと考えているのが中世です。コンスタンチヌスの寄進書が偽書と判明するのは15世紀ですのでまだ200年後です。
 中世にいた早すぎた啓蒙君主が皇帝フリードリッヒ2世です。戦いで勝利した君主ではなく選挙で選ばれた皇帝でした。従い戦争するにも領地よりの軍隊は少なく、せいぜい2万ほどの寄せ集めでしたので完全に制圧することはできませんでした。自身の能力が高かったので統治できたのですが、死んでしまうと徐々に法王が陰謀の限りを尽くして奪っていきます。フランス王の弟にシチリアへ陥入させ、最後はシシリア王国はフランスのものになります。後になって、まとまったフランスが権力を行使できる体制が整うと、法王はアビニョンに幽閉されることになります。自らまいた種ですね。
 コムーネといわれる自治都市がミラノを中心として法王側について皇帝と対立します。自治都市はのちのルネッサンスの中心となる勢力ですが、皇帝の早すぎたルネッサンスを妨げました。政治は賢公によれば効率的なことは確かで、時代を超越してことをなすことができます。皇帝フリードリッヒ2世がいい例ですね。でもはかなくて例外的になる宿命です。悪公の例は現代でも過去でも多く有りすぎです。
 日本の例に例えると、13世紀ですから鎌倉幕府の時代です。頼朝のように軍事で制覇していないで、高知の守護・地頭が選挙により選ばれて将軍になり後醍醐天皇と権力闘争をするようなものです。おまけに両親がいなくて成長した青年です。日本を法治国家にするため、新律令憲章を制定し、足利の学校でリベラルアーツを教える。死ぬまでは成功して、巧みな外交で元寇さえも起きずにパクスジャパンの平和を実現したのが皇帝フリードリッヒ2世です。
 まあ、余計な説明を聞くより塩野さんの本をお読みください。読むつもりの人に害になるかもしれません。


   皇帝フリードリッヒ2世の時代13世紀の音楽   2分
  http://www.youtube.com/watch?v=4nI-9ildOus&list=PL32B037BF0813B95E


 皇帝フリードリッヒ2世の嫡子と庶子

 皇帝リードリッヒ2世の教育

 皇帝フリードリッヒ2世と宗教・異端

 皇帝フリードリッヒ2世の幹部候補生教育


                    2014-1-7

   






        インダストリ−4.0と独商船   

    

  ドイツで起こっているインダストリー4.0は新しい産業革命ではないのか?と言われていますが、その具体的詳細は今後のことでもあり、依然として不明です。

  ITもパソコンも満足に使えていない元船乗りの爺爺としては、こういうことではないかと想像・妄想しています。

 日本の船乗りは乗船のたびに船も人員も変わります。 従い引き継ぎが大事といわれています。かってドイツ船は500トン型や1000トン型と言って機械装備を一定の同じ配置にして合理化を図っていると聞いたことがあります。それなら引き継ぎなしでもすぐに乗りこなせるでしょう。 日本船は船主の好みにより、同じトン数・用途の同じ船でさえ各船バラバラです。日本人の器用さで乗りこなし・使いこなしてきました。 ドイツのような発想はありません。ドイツはそれなら量産効果で船価も下げられるでしょう。コストで有利に戦えます。

 日本ではパソコン業務ソフトでも各社で個別に発注して独自のものを使っているのではないのでしょうか? 企業やまして官庁で共通したものを使用せずに、独自に細かい違った仕様で発注してわざわざ難しくして汎用性のないものにしてコストを余分にかけているのでしょう。 ITゼネコンといわれるような企業が出てきたと言われています。

 いまさら絶滅した船乗りの話をしてもしかたがありませんが、日本的な職人技を好む文化ゆえでしょう、またそれを起用にこなしてしまう人が日本には存在します。
 インダストリ−4.0が何なのか不明ですが、いかにもドイツ人が考えそうなことです。


             2016-2-25






  



     ドイツ軍の現状

  ここで西ドイツの予備役と冷戦の終結といことを書いています。 当時は徴兵制をとっており12個師団34万人と予備役59万人合わせて90万人余の兵力を持っていた。 東西冷戦のなか西ドイツ陸軍の戦車は「レオポルド2」が2000輌あった。なんと、それが現在は244輌でそのうち可動は68輌であるという(2017年12月公表)。驚くべきことだ。ちなみに日本の自衛隊の平成30年防衛白書による自衛隊戦車数640輌で国土・地形の関係で戦車を装輪化して減らし始めてはいます。 1970年代には、13装甲師団あったのが2010年には2個に削減された。  また、確かに先の大戦でもドイツ海軍には予算が回せずにUボ−ト潜水艦主体の装備であった。現在の海軍は6隻の潜水艦保有のうち、とうとう可動できるものは無くなりました。恐るべき状況です。 それに加えて、空軍は「ユ−ロファイタ−」戦闘機128機のうち可動可能は4機です。これらのことを知ると、もうドイツは軍事力を持っていると思えません。

 ドイツ軍はNATOの中核をなすと言われていましたが、NATOの現状はどうなっているのでしょうか?

 ドイツは債務ブレ−キ条項により政府の借入金はGDPの0.35%までに制限しています。従い日本のように1000兆円をこえる借金をかかえていません。うらやましい限りです。 トランプが国防費を2%まで上げろと要求していますが、そうでなくても上の現状では上げざる負えないでしょう。 ドイツが今のままで良いのは(?)冷戦の終結後に隣国が仮想敵国でなくなったからです。日本の状況を見れば最近の韓国も含めて敵国ばかりです。 自主防衛力を備えるまで軍備を上昇させなければならない。 中国相手ならかってのドイツのごとく予備役を含めて100万くらいにならねばなりません。ドイツとは逆です。



シリア電話番号TOW2にやられたレオパルト2戦車


   2019-8-23















    ドイツ 音楽関連


  ハインリッヒ・シュッツ
  http://hayame2.sakura.ne.jp/details1035.html#シュッツ2

  バッハ

  はやめのバッハ全集