速魚の船中発策ブログ まとめ






ソ連による北海道分断を救った人々

 ドイツの敗戦処理と北方4島

不調に終わった北方領土交渉

陽明丸と800人の子供たち

バッハカンタ−タ, 樋口隆一と樋口季一郎将軍












































































北方領土 まとめ




  まとめにあたって


 期待された昨年の北方領土交渉もお金だけだす不首尾なものになりました。これからの交渉継続を担保するだけのために、3000億円も出すのは果たしてよいことでしょうか?

 ソ連は先の大戦の戦勝国です。日本とソ連は、独ソ戦争のように数千万人単位の被害をだしたものとは違います。 ソ連の一方的な中立条約破棄により、ソ連から仕掛けられた戦争の結果で、亡くなった人は独ソ戦にくらべれば、比較の仕様のない程少ないものです。また日本はシベリア抑留での敗戦負担を負いました。

 ソ連が主張するように4島は戦争により日本が失ったものです。 樋口中将が占守島で、上陸してきたソ連軍を断固として阻止しました。終戦後でも断固千島を維持してくれましたが、その後の武装解除に応じたために、千島列島でソ連は無血で占領して住民を追い出しました。

 北方4島の経済的価値は今のところ水産資源の問題だけで、それほど価値があるとは思えません。旧島民も高齢化して本土に基盤を置いた人々です。

 戦争で獲られた領土の返還は難しいものです。古来の領土と主張しても難しいでしょう。 経済的な得は小さいけれど、中国とは違いロシアは極東では領土的な膨張政策をとっていないので、それの実害は広がることはないでしょう。平和条約の締結とシベリア開発の日本参加で、対中国との抑止効果は期待できます。 現在のシベリアは、ロシア人口の減少に中国人の移住増加で人工的に併呑されるのではないかと言われてきました。かっては中国の領土であったシベリアです。その状況を考えて面積的な引き分けで手を打つチャンスを待ったらいかがでしょうか?

  こう書いたところで、テレビタックルを見ました。筑波大の教授が4島のカジノ計画をトランプが参加する、また関税ゼロのタックスヘイブンの地とする。そして発展して日米ロの3国同盟の締結で4島返還となる初夢プランを披露していました。カジノとタックスヘイブンはここで書こうと思っていましたが、受け売りになり(笑い)書けなくなりました。  いずれにしろソ連崩壊の時に人道援助として3000億円使っていたら、もうとっくに4島は帰ってきたかもしれません。  じっくり今後の時期を待ちたい。

 
     2017-1-9
 





              
         
 
 

   ソ連による北海道分断を救った人々


                 
 樋口季一郎   



今から68年前の1945年8月22日に北方軍は武装解除することになり
ました。終戦後にソ連は千島と北海道の北半分を要求して日本に侵攻した。
北方軍司令官の樋口季一朗の命令により、終戦以降にもかかわらず反撃を
命じた。
その命により占守島では上陸してきたソ連軍を断固として痛撃しました。
それで侵攻を遅らせることができた。幸いにもアメリカがソ連の北海道の領有を
認めなかったので、北海道は分断されずに済みました。 日本軍はどこでもやって
いた終戦後の速やかな武装解除に応じて、みすみすソ連の進駐占領を許して
いたら、それが既成事実化してしまい、アメリカは北海道のソ連領有を押し切られ
ていたでしょう。誠に戦後でも戦ってくれた軍人の方に感謝せずにはいられ
ません。名も残さないで血を流して守ってくれた下級兵士の人々がいたのです。
 他にも樋口季一朗さんはキスカ島の奇跡の撤退作戦を進言し成功させました。
あのリトアニアでユダヤ人にパスポートを発行した杉原千畝さんの2年前に、
オトポール事件と言われるユダヤ人救出に尽力しました。すべて彼の個人的な
決断です。彼がそこにいなかったらどうなっていたかわかりません。ソ連が彼を
戦犯として差し出せとの要求も、感謝されたユダヤ人の力で抑えました。
 樋口さんは淡路島の廻船問屋の出身の人で、奇しくも司馬さんの菜の花
の沖の高田屋嘉兵衛と同じ出です。日本のために北海道のために
後押しがあったのかもしれませんね。歴史の巡り会わせの不思議さを感じます。


     2013-8-25       


    追記

  オトポール事件のことを書こうと思っていました。 下記のユーチューブをみつけ
ましたので、是非ごらんください。 長いですけれど、樋口将軍のお孫さんがよく説明
されています。 ここでとりあげた根本将軍、犬塚大佐なども関連つけてお分かりにな
ると思います。 これをご覧になればx爺爺の拙い文より鮮明にご理解いただけると
思います。



     奇跡の将軍 樋口季一郎  68分  いいね 
     https://www.youtube.com/watch?v=4caq5e_toz8
                  
         2015-12-14










    ドイツの敗戦処理と北方4島

 


   
   カーリーニングラード/旧ケーニヒスブルク


 2015年の新年を迎えました。昨年の拉致被害者の交渉はどうなったので
しょうか?
プーチンとの北方4島との交渉もウクライナの問題が生じて拉致と同様に期
待が持てません。 どちらも時期というものがあるのでしょう。冷戦が終結して
ロシアが困窮したときの、日本の無私の援助があれば返ってきたかもしれま

せん。ミャンマーなどには借金を棒引きしてさらに何千億円もの援助が、この
今でもできるのですから。兆円だして購入という手もあったでしょう。

 ドイツは先の敗戦でシュレージェン地方や東プロイセンを失う。前者はポー
ランド領に後者はポーランドとソ連・ロシアで分割した。ロシア領はカリーニン
グラード州として現在のリトアニアとポーランドの間に飛び地としてある。
 第2次大戦前に独ソでポーランド分割を秘密に協定して開戦するや2国で
ポーランドを占領した。ソ連は勝利した後でもそれを返還せずにポーランド
国境を西に移動させることで決着させた。この結果北方4島の帰還者の比
ではない百万単位の膨大な犠牲者をだした。戦勝国はこんなものです。

 日本は北海道を失うこともなく、国体護持もできました。沖縄返還・軍政
維持?にもなりました。安倍さんは戦後レジームの改正と声だかですが、
戦勝国からはウサン臭くみられていてもおかしくないでしょう。まだまだ時
間がかり、やることも多いでしょう。

      2015-1-8

  

  





    不調に終わった北方領土交渉


  慰安婦交渉で最終解決のはずだったが、大使の帰国を余儀なくされています。口の悪い方は韓国の振り込め詐欺だと言っています。
 さて鳴り物入りで大いに期待された北方領土交渉は、またしてもマスコミの誤報だったのでしょうか? 昨年は、英国のEU離脱問題、トランプの当選と世界歴史の節目となるような問題で、日本のマスコミは間違い報道を繰り返してきました。今回はその3番目にあたるのでしょうか。特に日本のマスコミ劣化を感じている爺には案の定です。

 1月5日のダイヤモンド・オンラインの報道で北方交渉での核心が書かれています。 
 それによると......   <strong>11月9日、モスクワを訪れた谷内正太郎国家安全保障局長はロシアのパトルシェフ安全保障会議書記と予備交渉に臨んだ。ロシア側は歯舞・色丹の2島を返還することを想定し、「米軍の基地が置かれることはあり得るのか」とパトルシェフ書記が念を押した。

 谷内正太郎氏

 <strong>谷内局長は「可能性はある」と答え、ロシア側を仰天させた。

 返還後の領土に米軍基地が建設されるなら領土交渉には応じられない、というのがロシア側の一貫した態度だった。分かっていながら「基地建設の可能性」を予備会談で表明するのは交渉を止めるに等しい。(</strong>ダイヤモンド・オンラインによる)

 新しく作ったポスト国家安全保障局長であり内閣特別顧問である谷内氏に、記事のような最終局面で交渉に当たらせるのは失敗が目に見えるようなものであった。 安部さんは彼を重用してきたが、あの場での言動を承知していたのであろうか? 知らないのであれば飼い犬に手をかまれた状況、知っていたのなら、交渉をト−ンダウンさせなければなりません。 庶民が考えても、返した領土に米軍基地ができるのなら返すはずがありません。 韓国の慰安婦・10億円とは違い、今回は3000億円の振り込め詐欺になります。


 安部さんは官僚のコントロ−ルができない人で、その手の上に乗っている人なのかもしれません。谷内氏はとかく情報面でも他国に漏れているのではないかとの懸念を言う人が存在する人物でもある?

 安部外交はあちこちへ気前よく数千億円レベルの大金をバラまくようで、ますます財政破綻の恐れが気になります。


          2017-1-8

 
 




     陽明丸と800人の子供たち

       北室南苑さんによる



 日本軍のシベリア出兵のときに、ポ−ランドの子供たちを救出したこ
とは世間に知られてきましたが、まだ世に知られていないも他のものがありました。

 ロシア革命後のペトログラ−で生活に困窮していた親たちが、夏の期間に一時的にシベリアへ子供たちを疎開させます。ところが内戦が勃発してそのウラルの地に子供たちが孤立してしまいました。その事実を知った米国の赤十字社が立ち上がり、その要請により日本船陽明丸が傭船される。その船は無事太平洋横断しパナマ運河を抜け、大西洋を横断してフィンランドまで送り届け、無事に八〇〇名の子供たちが親元に帰ったという忘れられていた事実が、北室さんの追及によりその詳細が明らかになりました。

 安部さんとプ−チンさんが北方領土交渉の前に、このことが両国に衆知されていたら、少しは良くなっていたかもしれません。
 



  ウラルからウラジオストックまで救出された子供たちは、シベリアに出兵した各国が撤兵したあとで、残ったシベリア派遣日本軍と赤軍との戦闘が懸念された。米国を含めていろんな船会社に傭船を依頼したが、断られて陽明丸が引き受けることになった。 船会社社長の勝田銀次郎が快く引き受け、船長・茅原基治は子供たちに慕われて無事送り届けることができた。

 北室さんは、ロシアで行っていた個展で、子供たちの子孫より船長に感謝をしたいと、日本での船長さんの捜索の依頼を受ける。奇跡的に茅原船長の手記と共に子孫を見つけた。 また、日本が関わったことには秘密があるゆえに記録が消されたのではないかとも述べられています。
 このような隠れた偉業がみつかると、関係のない現代の日本人でも少しは胸を張れるか? 後世の人間ですが、船主の勝田さんと船長の茅原さん、乗組員の皆さんに感謝いたします。元船乗りとしては誇らしい思いです。






 船長 茅原基治さん  日露米の架け橋


     2017-5-2










    バッハカンタ−タ, 樋口隆一と樋口季一郎将軍





 最近は首相とプ−チンとの会談も繁く行われています。「北方領土」とは呼ぶなとか、「戦争で得た領土は返す事は無い」など厳しい報道を聞きます。 首相が会談で何を話しているのか、どこまで勝算があって交渉に臨んでいるのかは知る由もありません。足元を見られていない交渉であればよいのですが。
 ドイツはプロシアの地、ロシアがカリ−ニングラ−ドと呼ぶ「飛び地」を返還するような交渉はしておりません。戦争の結果として受け入れているのでしょう。 樋口将軍の奮闘がなかったら、今頃は北海道の返還交渉に難渋しているのかもしれません。

 樋口隆一さんの祖父は樋口季一郎中将で、1945年8月に侵攻してきたソ連軍に抗戦した軍人として知られる。樋口さんは、「(侵攻は)明らかに国際法違反。日露戦争の復讐(ふくしゅう)戦だった」と指摘。その彼はカンタ−タや受難曲のバッハ研究家です。浅学なバッハ愛好家の小生は今日まで、このブログで祖父の季一郎将軍のことを取り上げているのにお孫さんの関係は知りませんでした。明治学院大学の名誉教授で現在でもサントリ−ホ−ルで演奏会を企画されているようです。マタイ受難曲のCDも発売されています。


 樋口隆一 バッハを語る  9分
 https://www.youtube.com/watch?v=BTSdeI5g0XU

  速魚のバッハ全集
 http://www.hayame.sakura.ne.jp/99_blank022.html
 

    2019-1-29