速魚の船中発策ブログ まとめ




瀬戸内の狭水道

海上衝突予防法と漁船

音戸の瀬戸

来島海峡

大畠瀬戸

大畠瀬戸 その2

ヒヤリハットの大畠瀬戸


上関

鼻栗の瀬戸

関門海峡と進路警戒船

下津井瀬戸

下蒲刈

船員の常務 その3  狭水道の航法












































































































































ヨットと狭水道 まとめ






     瀬戸内の狭水道
                                 


 
  ヨットで通峡したことのある瀬戸内の狭水道



 「ヨットによる狭水道」をまとめました。 それについてはブログやHPに2013年以来の原稿があります。その中の狭水道に関するものを選びました。 そこには本船に関するものもありますが、ヨットにも関係していますので、それも取り上げます。

 40代まで本船の船乗りでしたので、本船では関門海峡と来島海峡には一段と注意を向けています。ここを通る本船船長には特別の水先手当が当時は支給されていました。

 また、残念なことに来島海峡では所属していた船会社の船舶が2隻が外国船と衝突して沈没しています。乗ったことのある船では怒和島水道で、これも外国船と衝突して沈没。 それでボ−スンが亡くなりました。 その事故は小生が休暇で下船した後の事故でした。

 自身がの経験した本船の狭水道の航行で一番大変に思ったのは、ドイツ、デンマ−ク、スウエ−デン、ドイツとユカタン半島を1週間で回るコンテナ−フィ−ダ−サ−ビスに従事していた時でした。 その理由はいくつかあります。 そこの海域へは大西洋から暖かいメキシコ湾流が流れ込んでいるせいか、海の温度と大気の温度に違いがあり、春秋夏には霧が発生して視界が悪いこと。 また、当時は欧州と言えども日本程には航路標識設備が充実していないこと。 おまけに、冬には海が凍って砕氷船のサ−ビスを利用する時があることです。

  そこの一番の問題は、その海域は瀬戸内のように島が多く狭水道が多かった。 そこには思わぬ潮流が有り、流されて船位を求めると予想外の位置にいる時がよくあった。 船位を求める間隔を短くすることでその偏位に対処したのであるが。 これらのことで船乗り人生で狭水道航行に一番苦労したスカンジナビア航路であったと思える。

 話がそれました。 ヨットの狭水道のことでした。  初めてクル−ザ−を買い、処女航海での母港へ廻航の時です。 まだ着岸作業にに自信がないのでそれを避けて、夜はアンカ−を打ち、停泊し睡眠した。 若さにまかせて、毎日1kgの減量を余儀なくされた我武者羅航海となった。  弓削商船高等専門学校が見える沖に停泊し、さて、これから狭水道の航海だ。 来島海峡を避けて船折れの瀬戸(宮窪の瀬戸)に挑む。 そのころは潮流表で流速と転流時を調べて航海する時代であった。 ビギナ−故の間違いか流向を反対に読み水道に出たがヨットは一向に進まない。 それを見かねた地元の人が陸から声掛けしてくれて、反流を教えてくれる。 小さな船溜まりに停泊して転流時を待っことになった。 再挑戦は事なきを得て通狭した。 最初の狭水道の通峡の経験であった。 それ以来この水道は忌避して今日に至る。 とんでもない昔話を聞かせてしまった。 狭水道の航行は、人にもよるけれど、それだけ記憶に残るものになる経験とも言えよう。 船折れの瀬戸にはいずれ挑戦するつもりだ。


  最近、下記に書いたように、狭水道でヒヤリハットをしてしまう。 大して当てにならないとバレてしまいそうであるが、このまとめが何かの参考になれば幸いです。



 下記の各標題をクリkkックすると詳細に飛ぶことができます。


       2022-1-28





   日本が下記のごとく特異な航法を取っている。法的に狭水道の航法には注意が必要である。 



  海上衝突予防法と漁船


 海上衝突予防法は昭和52年に全部改正されました。これは国際条約の規定に準拠し
て定められました。

 その第9条に「狭い水道についての航法」の条文があります。その第3項では”航行
中の船舶は狭い水道等において漁労に従事している船舶の針路を避けなければならな
い”とあります。こちらが元の準拠している英文では下記の3項です。

 Narrowchannels

・A vessel proceeding along a narrow channel must keep to starboard.

・Small vessels or sailing vessels must not impede (larger) vessels which can navigate
onlywithin a narrow channel.

・Ships must not cross a channel if to do so would impede another vessel   which  
cannavigate only within that channel

 注)impede を妨げる,邪魔する

 英文の2項では”小型船又は帆船は狭い水道のみを航行する大型船の航行を妨
げるるな”と小生のつたない英語力で読み取れます。日本の法令は国際条約の
趣旨に反して意図的に改正しています。

 日本に航行してきた外国船はもちろん英文の法令に則り航行します。幸いこれに関連し
た漁船との衝突事故の話は聞き知りません。なぜこうした条文の変更をしたのでしょう。
 水産業界は今でも大日本水産会と称しています。この大という字は戦後も生き残った稀
有な例ですね。当時の運輸省のお役人は業界の圧力に負けてこのような事故を誘発す
るような条文を制定しました。今度改正するときには直しましょう。


                         2013-8-18






   音戸の瀬戸




 ここは折れ曲がった地形になるので、反航船と最狭部での行き会いは避けたいところである。しかし連絡船やフェリ−とその状況になったことがままある。 岸近くまで水深があるので事なきを得た。 幅5m位で行き会うことになる。 シングルハンドではネットで海況を見られるようであるが、それを利用する余裕はなかなか無い。 瀬戸内ではここが一番緊張する場所のように思う。





  来島海峡





 ヨットでは西航では来島と小島の間をぬける。 東航では大島寄りの水路を抜けて中水道を避けて航行した。 本船航路の西・中水道を抜けたことは小生はありません。





   大畠瀬戸





 上関と広島への航行するときの利用水道になる。



      大畠瀬戸 その2  貨物船が橋への衝突









   ヒヤリハットの大畠瀬戸


 2021年の秋巡航では来島海峡、上関海峡、大畠瀬戸、音戸の瀬戸及び下津井瀬戸を通航した。今思い出すと、ヒヤリハットしたのは大畠瀬戸であった。

 慣れは怖いもので、昔なら潮止まりの前後に橋下を通るように時間調整をしていた。  最近は4−5ノットの連れ潮なら関係は無いということで、今回の北航は笠佐島と大島の間を航行して大畠大橋の中央部を目指して針路をとっていた。 橋の近くでは7ノットに上る連れ潮だグングンと橋桁に接近する。 慌てて橋と並行するようにまで左舷に思いきり舵を切りぶつからずに終えた。リ−ショアに気をつけろとはこのことでした。 流されることを計算にいれて橋の中央を目指すことなく左側に寄って航行すべきであった。



  大畠瀬戸  我が通航図



 おまけに先に通った内航船の500トン以上もある思われる本船船が橋の通過後不自然に右に大きく寄せられたのを目撃していた。 先例があったのです。事故なく幸いにも今回は終えることが出来たが小生のような凡人には予見や先例を後になって気が付くものです。


      2022-1-27






   上関海峡






 上関は行政が力を入れていてヨットの聖地のひとつになりつつある。 最近はポンツ−ンが整備されて停泊に便利になった。 瀬戸内航行の要となっている。 水道の通航は狭いけれど見通しが効き本船も小型船が多く難を感じなくて済む。




   鼻栗の瀬戸






 弓削を出て御手洗へ行くのに通航した。 狭いけれど200トン程度の本船の通航ゆえ見通しも良いので潮流の問題だけのようだ。




   関門海峡と進路警戒船





 小型船は門司埼の特別ル−ルがある。ヨットでは、そこは岸近くまで深いので大型船との行き会いを避けるため門司埼によった航行をとる。

 航路の端を航行する場合には航路脇に水深の浅い場所があり、追い越し船が航路橋ギリギリを来ることが有りその場所では航路端を避けて陸寄りに安全幅を考慮した航行が必要の場合があります。



   下津井瀬戸





 下津井瀬戸は水島航路の横断が問題で上下左右から本船が来るので間隙をぬっての航行になる。スマホのニュ−ペックでは本船の進行方向が見られるので上手く利用したい。




   下蒲刈



  安芸灘大橋


 安芸灘大橋下を通航する。広く問題なし。 東西の風向が強い時には下蒲刈停泊を考えると良い。





   船員の常務 その3  狭水道の航法






  狭水道の海難の事故報告である。 参考になれば幸いです。



     2020-1-28